長野上水内教育会

教育会リレーエッセー⑦「猫の手も借りたい」

2024.02.21 WEB更新更新情報

教育会リレーエッセー 第7走者は山王小学校 霜田(幹事長)です。

雨水も過ぎ、この時期としては珍しく気温が20℃近くなる日もあり、三寒四温の今といえど、体調管理に気をもむ時期です。

さて、季節は2月も下旬。今年度のまとめとともに来年度の計画を固めるせわしい時期となりました。個人的なことで恐縮ですが、少し前、訳あって、見た目で分かるほど利き手ではない左手が使えない時が少しの間ありました。猫の手も借りたいほどの忙しい時期にいつもの半分の速さでしか事が進まない状況に苛立ちつつも、その苛立ち感を埋めるように、いろいろな方の優しさや配慮でことを進めることができました。子供たちや先生方の温かな言葉や行動だけでなく、見知らぬ方々の細かな配慮にも傷が癒されました。ある日、スーパーマーケットのレジで、財布からお金を出そうとまごまごし始めたほんの一瞬で、笑顔でかごをそっと台に移してくれたレジの方(健常の方にはやっていない)に出会いました。また、会計が済んで買った品物を袋に入れようとまごついていると、今度は見知らぬ高齢の女性の方が一言二言お話されて品物を袋に入れてくれました。こんな時も、猫の手も借りたい気分になりますが、この案件で、猫ではなく、本当に見知らぬ人の手がたくさん差し伸べられました。

一方、教育会事業について、新事業も年々企画され、事業が立て込んでいたり参加者数が多かったりすると、猫の手も借りたい位忙しい状況になりますが、参加者の皆さんの笑顔や満足感を肌で感じることができれば、役員たちは嬉しい悲鳴を上げます。先日行われた「哲学対話」に大勢の方が参加されました。事後に他郡市のある学校の先生から会にお手紙をいただきました。「この度はご縁をいただきましてありがとうございました。…途中省略…〇〇との関係については全く意識がありませんでした。こういう自分にない発想や考えを聴けて、それをきっかけに話や考えが展開して膨らんで深まっていくおもしろさ、楽しさ、そこが『探究の対話』の魅力だと思っています。こういう語り合いができる教室、職員室にしたいと思って細々と実践しておりましたが、長野市(上水内)にこんな大きな流れができつつあると知り、本当に心強く思いました。これを長野市(上水内)だけでなく、長野県のあたりまえになってほしいです。今後ともよろしくお願いいたします。」

見知らぬ方とはじめこそ緊張しつつも安心感をもとに楽しく過ごした一時でしたが、「こういう語り合いのできる」学びがおもしろく、また楽しければ猫の手も借りたい気にもならずに、自然に互いの手を取り合っていきたいと思いが生まれるのだと思いました。楽しい気持ちは身近な周りに良い影響をもたらしていきます。まず参加してみないとその楽しさを実感できない教育会事業。次年度の事業でも楽しさ、おもしろさを感じる方が一人でも多く増えればと願い、企画を進めています。引き続き入会よろしくお願いいたします。

結びになりましたが、今年度の本会の事業へのご理解とご協力に感謝です。まずは、体調管理に努めながら年度末を乗り切りましょう。

(写真は春を待つ猫の手)

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