長野上水内教育会

教育会役員リレーエッセイ㉘ 「本物」との出会い

2025.03.05 WEB更新更新情報

青木島小学校の阿部悦夫です。

「プロフェッショナル」・・・。AIに回答を求めたところ「特定の分野で高い専門知識とスキルを持ち、それを実践に生かして結果を出すことができる人」とのこと。過日、学校を訪れたある方から「先生は教育のプロですから」と言われ、動揺する自分がいました。

そんな折、「プロフェッショナル」な人々をまじかで見ることができました。バドミントンのS/J リーグ(実業団)2024 TOP4トーナメントの観戦機会を得たのです。しかも、耳を澄ますと選手・コーチ間の会話も聞こえるほど近くのコートサイド席からでした。世界ランキング上位の選手が複数出場していた中、オリンピックや世界選手権のメダリストのプレーと所作はやはりひときわ目を引くものでした。特に男子ではBIPROGYの渡辺勇大選手の、女子では再春館製薬所の志田・松山選手(シダ・マツ ペア)のプレーは圧巻でした(山口茜選手は欠場)。対戦相手を畳みかける圧倒的な攻撃力と守備力、そしてどんなに厳しい体勢であっても打ち抜き、守り抜く技術と気力。一打一打のシャトルが破裂するような打撃音と、小刻みに響くシューズの摩擦音が世界で戦う選手の凄さを物語っていました。3選手のワンプレーにつぎ込む集中力とミスを引きずらない気持ちの立て直し方は群を抜いているように思えました。おそらく世界を相手に勝ち上がる選手は、特別な試合における身体・メンタルの自己調整力も他の選手より一つ上のレベルにあるのだろうと思いました。また、志田・松山ペアの相手プレーヤーに対する謙虚な姿勢は清々しさを感じるとともに、所属する再春館製薬所(団体戦優勝)の選手たちのマナーの素晴らしさ(試合中に濡れたコートを拭く補助員に対する礼儀 等)は、競技を通していかに人間性を高めてきたのかがうかがえました。

「プロフェッショナル」との出会いは、私のように年齢を重ねた者であっても「あこがれ」や「尊敬の念」を抱く機会となります。こうした「本物」との出会いを子ども達にもぜひ設けてあげたいと強く思いました。今、自分に自信が持てず、夢を見ることができない子が増えています。自分の夢がもてない今であっても、「すごいなぁ」「かっこいいなぁ」という思いが「あこがれ」となり、たとえ同じ道を志すことはなくとも、その子にとっての「なりたい自分像」を描くことにつながるのではないでしょうか。

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