長野上水内教育会

教育会役員リレーエッセイ⑳「日本タンポポ」

2026.03.05 WEB更新更新情報

本年度最後となるリレーエッセイです。

私は春が苦手です。人見知りする私は、4月の新しい出会いにいつも緊張してしまいます。また、その前の3月には親しくなった方々との別れがあり、毎年環境の変化に心が追いつきません。ですが、1つだけ楽しみがあります。それは日本タンポポを見つけることです。

松本市で2年の担任をした時のことです。国語で「たんぽぽのちえ」の学習をしていたところ、ある子が「日本タンポポってあるんだって。」と言いました。そこで、みんなで学校の敷地内を探しました。すると1株だけ見つけることができました。子どもたちは大騒ぎ。もっと探そうと学習を進めていくうちに、松本市アルプス公園にその群生地があることがわかり、クラスで出かけることになりました。

事前に休日を使い下見に行ったところ、辺り一面日本タンポポで埋め尽くされている場所が何か所もありました。「早く子どもたちに見せたい」という思いを胸に迎えた当日。何とわずかな期間にアルプス公園で芝生の整備があったようで、多くの日本タンポポが刈られていました。唖然とする私を横目に、子どもたちは芝生から少し茂みに入ったところに咲く日本タンポポを見つけ、喜びの声を上げました。そして、両手に花を持ち、袋には一杯タネを入れ、満面の笑みで学校に戻りました。

このことがきっかけで、私は日本タンポポに興味を持つようになりました。日本タンポポという呼び方は在来種の総称です。松本で見つけたのはシナノタンポポでした。

その名の通り県内でよく見かけます。佐久地方でも見られますし、若槻小学校の学区でも見つけました。また、佐久地方ではカントウタンポポやシロバナタンポポも見られます。日本は「タンポポの楽園」と言われるぐらいたくさんの種類があると聞きます。

日本タンポポの話をするとセイヨウタンポポとの生存競争に負けてその数を減らし…などと聞くことがあります。でも、実際は日本タンポポは半日陰のところを好み、人があまり踏み入らない土地で育ち、受粉しないと種ができないけれど、セイヨウタンポポは耕されたところでも問題なく根付き、1株で種ができ増えていくとか、特性の違いによるところが大きいようです。さらに、今は純粋なセイヨウタンポポの割合も低くなり、かわりに「雑種」が多くの割合を占めているとか。人によっては雑草でしかないタンポポですが、調べると実に奥が深いです。

校長室に、種から育てたシナノタンポポが春を待っています。春が苦手な私のために、癒しの花を咲かせてくれることを楽しみにしているこの頃です。      (文責:教育会監事 若槻小学校 小山俊樹)

ページの先頭へ