長野上水内教育会

教育会役員リレーエッセイ①「戸隠中の名物」

2025.05.07 WEB更新更新情報

今年度のリレーエッセイのトップバッターを務めます、戸隠中の山中です。書く内容はおおよそ決めていたのですが、文才がないため原稿を仕上げるまでに時間がかかってしまい、締め切りぎりぎりの提出になってしまいました。

さて、戸隠中に赴任して一年たちましたが、自然豊かで独自の文化が根付いている戸隠は、学校にいても地域に出ても日々新たな発見があります。今回は戸隠中学校の名物を二つ紹介したいと思います。

戸隠中の名物の一つ目は水です。もともと戸隠は水がきれいで豊かな土地です。戸隠山と飯縄山に囲まれた戸隠は、水の集まる場所になっています。噴火でできた隙間の多い地層や水を通しにくい地層が積み重なっていて、水を貯えやすい地層となっているからです。しかも、山麓に向かって傾いているので、山に降った雨や雪解け水は地下の地層の中を流れ下り、水が湧きやすくなっています。水質は富士山の天然水と同じ超軟水と言われており、非常に滑らかな水です。そんな戸隠の水は高原で採れる蕎麦の風味をより際立ててくれ、昔からおいしい蕎麦が食されてきました。

戸隠中の敷地内にも、水が湧いている場所が三ヶ所あります。そのうち一箇所は敷地内の池に流れ込んでいます。湧き水なので透明度が高く、夏はとても冷たいです。この池で熊が水浴びをしていたという噂もあります。もう一箇所は沢に流れ込んでいますが、この沢にクレソンとわさびが植生しています。(クレソンは雑草化しており、草取りで廃棄されてしまいますが、十分食べることができるものです。ご希望がありましたらお声がけください。)植生しているわさびは、以前戸隠中の湧き水に興味を持った生徒が、一年かけて水温を調べ、職員や生徒が自宅などで自生していた苗を持ち寄って移植しました。そして、そばの薬味として生産できないかと考え、全校で試験栽培に挑戦したそうです。ここ何年かは学校全体で栽培に取り組むことはなくなっていますが、株はしっかり根付いて少しずつ増えています。先日、「教材研究」と称し、そのわさびを採って食してみましたが、つんとした風味と辛さがしっかりとあり、まさに「わさび」そのものでした。これも、戸隠のきれいな水の恩恵です。

もう一つの名物は、学校によく遊びに来る猫の姉妹です。一匹はキジシロのおばあちゃん猫で、だいずという名前です。(私の前任の校長先生もリレーエッセイで紹介していました)とても人懐っこく、誰にでもスリスリと寄ってきます。ぽかぽか暖かい陽気の時は、私と一緒に朝生徒を出迎えてくれます。猫好きの職員は、だいずを撫でて元気パワーをもらって授業に向かっています。以前、軽トラの上で昼寝をしていたら、そのまま長野市街地まで運ばれてしまい、しばらく行方不明になっていたという逸話もあります。もう一匹は、だいずより色が濃い目で鍵しっぽが特徴の妹猫です。あずきといいます。あずきはだいずよりも警戒心が強く、大人は平気ですが子どもは苦手です。生徒が外で活動したり、寄って行ったりすると逃げたり姿を隠したりしてしまいます。でも、慣れている人には甘えて、よくおしゃべりする猫ちゃんです。びびりな性格なのに、なぜかケーブルテレビの取材の時は、ちゃっかり映っていました。二匹とも長い間、生徒、教職員、地域の方に愛され癒しになっている貴重な存在です。いつまでも長生きしてほしいと思っています。

    
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