長野上水内教育会

オータムセミナーが開催されました

2025.11.10 WEB更新更新情報講座

11月6日(木)に、上高井教育会および信濃教育会との共催で、長野上水内教育会オータムセミナー(信州教師塾B)を開催しました。
長野上水内教育会の講座では、信州大学教育学部の榎本哲士先生を講師に迎え、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業の構想・評価」という演題でご講演いただきました。
同日開催の上高井教育会の講座では、信州大学教育学部の楠見友輔先生を講師に迎え、「子どもが安心して学べる教室づくり~インクルーシブ教育を実現するリーダーを目指して~」という演題でご講演いただきました。
今回は、長野上水内地区で勤務する先生方、上高井地区で勤務する先生方が、それぞれ興味関心に応じてどちらの教育会の講座でも受講できるように幅広く案内をしたところ、お互いに双方からの参加があり、講座を通して郡市を超えた先生方の交流の機会となりました。

長野上水内教育会の講座では、榎本先生のご専門の算数・数学に関わる問題場面の事例を通して、様々な視点から子どもたちの学びの姿の捉え方や授業構想のあり方などについて考える時間になりました。
例えば「分数のわり算を分数のかけ算の時と同じように、分母同士、分子同士をわるという方法で考えられないか」という疑問や、「L字型の図形の面積を求めるときに、同じ式に見えても実は異なる意味を表している」という場面をみんなで考えることを通して、捉え方の違いから対話を生み出し、その対話的な学びを通して深い学びを経験し、それが主体的な学びへとつながっていくという授業構想のポイントについて教えていただきました。
また、認知能力と非認知能力の関係性についても触れていただきながら理解を深めることができました。
参加者同士で対話しながら問題を解いたり、考え方を伝えあったりすることを通して、日頃の授業実践に活かすためのヒントを得られ、大変有意義な時間となりました。

【長野上水内の講座参加者の感想より(一部抜粋)】
・生徒の見え方の違いや捉え方の違いを見つけるために、まずは生徒の状況を、みながら授業を設計していくという視点で授業を行なっていきたい。生徒が問題を解き終わったら終わりではなく、それを言語化することで、もう一度考え直すきっかけになり、対話の材料になることがわかりました。対話を重ねることで、その言葉に相手意識も出てくると思うので、対話とセットで取り入れていきたい。教師としても、トライアンドエラーをしながら、同僚の先生たちと対話をしながら学びを深めていきたい。
・対話を通して、子どもたちが楽しく主体的に学んでいくために、授業の中でどのように取り入れていくのかこれから考えて授業を作っていきたい。また、子どもの多様な視点に気づき、一つの答えだけを求めるのではなく、いろんな方法で子どもと共に考えていける教員を目指していきたいと思いました。
・非認知能力から子どもをみとる視点を改めて確認でき、とても有意義な研修となりました。主体的な学び、対話的な学びを同列で捉えるのではなく、見方のずれを大切に対話的な学びがあってこそ、主体的な学びにつながるというのは非常に勉強になりました。ありがとうございました。
・講座の中で分数の問題を解いてみましたが、榎本先生から言われた考えをもとに考えてみると新たな発見がありました。このような発見が、普段私が授業をする上で見逃している子どもの姿なのではないかと感じました。特に、同じものでも子どもによって見え方が違うという話を聞いて、授業で扱う同じ問題や教材でも子どもたちの捉えが違うと感じました。お話の中にもあった子どもに見通しをもたせるためにも、やさしい教材が必要だと痛感しました。
・子どもたちは、同じものを見ていないということを自覚することができた。自分は子どもたちが分からないと「なんで分からないのか」と感情が昂ったり、全員が分かるためにどうしたら良かったか考えたりしていた。そうではなく、違う見方をしている児童同士で話し合うことが楽しいことなんだなと感じた。
・普段子どもが教科書や指導計画から外れると、いかにして戻そうかと考えてしまう。自分が思っている見方と子どもたち一人ひとりの見え方が違っていることにも気づいた。子どもたちが自分と異なる考えを持っていたとしても、その方法で正しい方に導くことが出来る(可能性がある)ことも知れた。今後の課題として、子どもたちがどのような見方をしていて、どのように取り組んでいるか(非認知能力)、それをどこまで全体に広げ追究していくかが課題である。とても勉強になりました
・実際に算数の問題を解いてみて、「間違えたくない」という不安や、対話する時に「話し出しが怖い」と思いに気づけました。普段何気なく、グループ活動や意見を聞いていましたが、子どもたちのこういった気持ちをあまり意識していなかったなと体感することができました。また、そういった不安を乗り越えるのも「非認知能力」であると学びました。「話し合いで不安は当たり前」という言葉が心に残っています。子どもたちの不安を取り除く工夫を考えていきたいです。

【長野上水内教育会の講座の様子】
         

 

 

【上高井教育会の講座の様子】
         

 

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