長野上水内教育会

教育会役員リレーエッセイ⑮「フランボワーズ」

2025.12.18 WEB更新更新情報

師走の土曜日、ダンッダダーン!ダン!と大きな音を立てて階段を4段転がり落ちました。2階から降りてきた家族が「だいじょうぶ?落ちたの?受け身とった?」と声を掛けてきました。両手に抱えた服の垂れ下がった一部を踏んで滑ったのです。半回転しながら落ちるときに、スネやくるぶし、尻などをぶつけて大変な痛みでした。幸い骨折には至りませんでした。受け身をとったのかと、家族に問われた私は、柔道七段です。階段からは普通に転がり落ちました。

さて、そんな私のリレーエッセイのお題は「ラズベリージャム(仏名:フランボワーズ)」です。20年前にホームセンターで、ラズベリー、ブラックベリー、さくらんぼ、プルーン、キウイの苗を購入し、庭に植えました。ブルーベリーはいくつかの種類を8株植えました。「果樹園のような庭にしたい」と考えていました(笑)。ブルーベリーの世話で重要なのは、夏場の水やりを欠かさないことです。そして収穫期に、防鳥ネットを張ること。手間はかかりません。しかし、ラズベリーはもっと簡単です。ただ、放置です。水やりも不要です。何より、ブルーベリーを狙って飛んでくるヒヨドリもラズベリーには目もくれません。一株植えたラズベリーは毎年地中で根を伸ばしてどんどん増えていき、今では、50本以上になりました。5月~6月はミツバチやクマバチが連日やってきて蜜を集めながら受粉してくれます。

ラズベリーは収穫が一苦労です。実が熟したらできるだけ早く採らないと傷みます。3週間は、毎朝収穫して冷凍庫で保存します。収穫を全て終えてからがジャムづくりです。砂糖を加えて鍋でコトコト煮た後、(ラズベリーには堅い小さな種がたくさんあるので)裏ごし器に入れて木べらでゴシゴシとこします。すると、なめらかで目にも鮮やかな真っ赤なソースがこし器の下から落ちます。それを、再び鍋に入れ更にコトコト煮詰めると甘酸っぱい香りが部屋中に広がり、ラズベリージャムの完成です。ただ、小さな種がこし器の編み目にはまってしまい、なかなか難儀です。最初の10年は半日がかりでした。10年前に、良い器具を見つけ購入しました。ハンドルをぐるぐる回すと、簡単に実と種が離れソースだけ下に落ちます。これでやったら1時間でこせました。砂糖は20%くらい入れますが、甘さ控えめです。店頭で、見かけるラズベリージャムは種がたくさん入っています。なので、手作りしてなめらかなラズベリージャムを楽しんでいます。

ブルーベリーは7月~9月に収穫します。ずっと実っていますので、気が向いたときに採り、ジャムを作ります。ここで注意するのは「電気虫」です。これは、いらがの幼虫です。過去、2回手が触れてしまいました。激痛です。電気が走ったように痛むことからこんな別名がついたらしいです。家族は火傷をしたように痛かったそうです。それ以来、ブルーベリーの収穫作業は主に私一人が担当しています。電気虫がいないか細心の注意を払って手を伸ばします。また、余談ですが秋にブルーベリーの細かな枝に「モズのはやにえ」を見つけたときは驚きました。庭にはアマガエルがたくさんいたので合点がいきました。子どもの頃、図鑑で見た通りに刺さっていて、自然界の弱肉強食を目の当たりにしました。今でも、ときどきみかけます。

ラズベリージャムは、ヨーグルトやアイスクリームにかけると絶品です。炭酸で割って飲むのもいいです。ラズベリーの甘酸っぱさが個人的には最高です。手前ジャムですね。ここ数年、一学期終業式の日にラズベリージャムonヨーグルトで学校の先生方を労っています。興味のある方は、一学期終業式にお越しください。  (文責:南部小学校長 涌井雅幸)

 

      

 

      
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