Edカフェ長水(2回目)が、7月19日(Aカフェ)、7月22日(Bカフェ)、7月25日(Cカフェ)に行われました。
今回のカフェテーマは「寄り添うって?」です。Bカフェにはメインゲストとして埼玉大学の岩川教授をお迎えしました。第1回目のカフェとはメンバーを変え、楽しくカフェタイムを過ごしました。
Aカフェ
カフェマスターから、「まずは自己紹介を兼ねて好きな給食を教えてください」というところから始まりました。ソフトめん、もろキュウ、パン、ごはん、揚げパン、カレー、シルバー、チリコンカンなどが出され、個々の先生方について少しでも知ることができ、アイスブレイクができました。
「寄り添うって」いうテーマは難しい。どういうときが寄り添うってときだろうというマスターの投げかけから話が始まりました。
・相手の話を聞く、傾聴する、さえぎらないでしっかりと聞く。こうすることでだんだん心を開いてきて相手が安心していく。関係性ができる。
・「寄り添うって」難しいのに簡単に使う。相手が寄り添ってもらったって思わないと寄り添ったことにならない。言葉にするとか行動するとかだけが寄り添うじゃない。その子と同じ空間にいることも寄り添うじゃないか。
・会えない子って何によって寄り添うになるのか。不登校の子に寄り添いたい。どうやったらよりそうになるのか。自分では寄り添っているつもりでも伝わらない。
・寄り添うって難しい。正解が見えない。不登校の子に、たまに学校にいった時に「久しぶり」って雰囲気が感じると嫌だと思うという。登校刺激を与えないとか、行く気になったときに行けばいいとかでいいのか。寄り添うって何なのか。
・相手がどんな思いなのかを想像するって大事じゃないか。
・活動とか頑張れているときには必要なくて、その子があまりにも忙しくてため息ついたときに話しかけたことがあった。卒業の時、「先生がいつも見ていたから頑張れた」といわれ、これも寄り添うかなと思う。
・人はわかり合えないが前提で、だからわかり合いたいと考える。
・勉強が苦手な子、同じ学習ができない子に、寄り添った学習ってどんな学習だろう。
・相手の世界に入るには相手の好きなことを認めること。
・全部はできない。個々の子によってどこまでが決まる。それが寄り添うってこと。
・反対に考え、「ほっておく」「何もしない」。その子の困り感を聞くこと、一緒にやり方を考えることも寄り添うになる。
・寄り添うって、受けた側が寄り添ってもらえたって思うことだと思う。
・寄り添うって、不登校であったり、勉強が苦手であったり、困り感があったりする子だけか。何か達成した子を認めてあげることも寄り添うではないか。
・勉強が苦手な子に対して友が教えたりよく聞いてくれるように、子どもと子どもが寄り添うってこともある。
この後、大人(教師)と子どもについての寄り添うから始まった対話は、やがて、子ども同士、そして職場内の教師同士の寄り添うについて語られました。最後まで結論が出ませんでしたが、いろいろ語られたAカフェでした。
Bカフェ
カフェマスターからの、「寄り添うって難しいテーマですが、新しい見方ができるとよくて、軽々しく使われているけれど、皆さんはどう思うかを自己紹介を兼ねて話してください」から始まりました。
・近くにいる、あなたを見ているってメッセージを送り続けること。
・抽象的で難しい。心を寄せ合うってことか。子どもに向き合うとか伴走するが近い言葉。
・相手について知ること。まずは知ろうとすること。その人のことを知って、理解し、手を差し伸べる。
・この言葉が好き。温かい気持ちになれる。誰かのところに寄り添いたいし、寄り添ってもらった時はうれしい。心がそばにいると思う。
・関心を寄せるとかその人に興味をもってその人のことを知るとか。かかわるやり方はいろいろある。「並び見」というかかわり方も大事。
・寄り添うって言葉を使ったことはないけど、学生は寄り添うって大事っていう。いい言葉だから使っていると思うけど、この言葉はインチキ臭い言葉になっていないか。
次に、カフェマスターから、「皆さんは寄り添ってもらったことありますか」という視点が出された。
・子どものころ学校に行きたくないって思った時、親が話を聞いてくれた。
・若いころ、研究授業の授業者になって、研究主任が遅くまで一緒に授業を作ってくれた。今、自分も同じように一緒に作ったり声をかけたりしている。
・自分の悩みを周りの先生や母に相談することがある。アドバイスを受けてもやもやすることもある。ただ話を聞いてもらうだけで前向きな気持ちになる。心が軽くなった感じ。
・自分の仕事がパンパンになって苦しい時、声をかけてくれるのがうれしい。見てくれる、気づいてくれるのがうれしい。
・手に負えない子に対して、日々試行錯誤、四苦八苦で心が折れることもある。今何をしたいのか、一緒にやりながら。子どもたちの心地よいペースに合わせることも大事。
・今日やらなければならないことがあって悩むことがあるが、心の余裕や時間の余裕がある。学級担任をしていた時にはこういう余裕がなかった。
・ゆっくりと一人ずつのペースに合わせるって感覚は、学級担任の時にはなかった。
このあと、カフェマスターから「寄り添うって」を子どもたちの視点から見えるとどうかと問いかけられ話が進められました。「背景を大事にする」「子どものペース」「押し付けない」「上下関係にしない」「相手の立場に立つ」「かかわりあいながら問い返す」などが語られました。この後、「顔」をキーワードに話をしたり、みんなで「う~ん」と悩んで対話が止まったりすることもありました。寄り添うって言葉の裏にある奥深い部分を考えられたBカフェとなりました。
Cカフェ
カフェマスターから、「まずは自己紹介を兼ねて夏休みに行いたいことを話してください」というところから始まりました。読書、ウォーキング、片付け、旅行、健康、ゆっくり過ごしたいなどが出され、個々の先生方について少しでも知ることができ、アイスブレイクができました。
まずは寄り添うにかかわって、成功例や失敗例など挙げてみましょうというカフェマスターからの投げかけからスタートしました。
・元気のいい1年生に、それぞれの抱えている困難さを聞いてあげることがよかった。
・子どもたちは話を聞いてほしいと思っている。聞いて共感する。共感してほしくて話すこともある。違うと思ってもいきなり否定はしない。まずは共感する。
・自分の意見を聞かれるときに、はっきりせずにいると子どもは残念がる。私はこう思うよとはっきり言う。知らないことは見てみたり調べたりしてみる。こういうことを心掛けている。
・先生聞いてって言って全員聞く時間はないけれど、できるだけ聞こうとしている。その時、目線を合わせることでわかることもある。そんな時にこの子にとってこの掲示は見にくいなあと気づくこともある。
・共感して聞いて反応してあげるって大事なことだと思う。同じ景色を見るということも寄り添うことになると思う。
・けがをして登校している子がいたら声をかける。トラブルの時だけ来る先生じゃなくて、ふだんから声をかける。
・見守るっていう姿勢もある。敵対心を持つ子離れていく子声をかけてこない子もいる。こうした子にどう心を寄せたらいいのだろう。見守って側面的な支援というのもある。
・どうしても悪口とか言ってしまう子に、なんでかを聞くだけじゃなく、いろいろな環境の面で考えたり、他の先生から話を聞いたりすると、自分も新しい見方にふれられる。
・子どもたちと話をすると、ある事の裏にあることが見えてくる。時間はかかるけど大事。
・寄り添うって言っても、その子がどんな状態であるかで変わってくる。その子といる場と時間を共有する。心や空気感を同調させる。そばに一緒にいることで何かを感じたい。
このあと、様々な具体例が出されました。「つなぐ」「共に」「楽しむ」「関係を作る」などがキーワードとなって語られました。それぞれの先生方が自分事を語っている。こうしてみようと考えることができたCカフェでした。
第2回目のEdカフェ長水は、「寄り添うって?」をテーマに対話しました。今回も対話の内容はそれぞれのカフェで全く異なるもので、話のつながりによってさまざまな展開をしました。「寄り添う」に対するとらえ方っていろいろあるということを感じました。教師目線で考えた時と子ども目線で考えた時では全く違って、寄り添うに何か上下関係のような関係が生まれないようにしなければいけないとも感じました。皆さんも「寄り添うって」について考えてみてください。
今回も、3つのカフェに参加させていただき、参加者の話に耳を傾け共感したり、違う視点からの話をしたりと、対話の面白さを実感できました。カフェマスターの立候補に手を挙げてくださった3人の先生方ありがとうございました。
(文責 宮澤俊樹) 動画の掲載は1週間です。7/29(月)~8/2(金)
