長野市立大豆島小学校の中村です。今年の夏はパリオリンピックのテレビ観戦で寝不足の日々を送られた方も多かったことと推察いたします。ニュース番組も情報番組も多くの時間を割いてパリオリンピックを報道してくれたことは、これまであまりかかわることのなかった競技についても知るきっかけとなりました。
パリオリンピックで行われた競技の中継をテレビで多く見ました。1点を争う好ゲームにドキドキハラハラしながらテレビにかじりつき、選手の真剣なまなざしに感動しっぱなしでした。メダリストが語る感謝の言葉には胸が熱くなりましたが、メダルを取れなかった選手の謝罪の言葉には胸が締め付けられる思いもしました。4年間この大会のこの日の勝利を目指して自分自身に追い込み続けた選手が語る「メダルをとれなくてすみませんでした」の言葉。自分のためではなく、自分にかかわる多くの人の思いも背負いながら戦っていたことがわかります。その思いにも胸が熱くなりました。
今回メダリストになった方のインタビューで語られた中で印象に残っているのが、『これからが勝負』という言葉です。“その競技の魅力を多くの人に伝えるため、そして自分のやっている競技人口を増やすために、メダリストになった自分がどんどんとメディアに出て語り、実際にメダルを持って出かけていきたい”というメダリストの思い。オリンピック前まではスポーツニュースであまり扱われなかった競技のメダリスト私などが想像もできないほどの大きなプレッシャーの中で戦っている代表選手。代表になることや金メダルを取ることがゴールではなく、競技の未来にゴールがある。その競技の繁栄のことまで背負っている選手のみなさんには本当に頭が下がります。トップアスリートになるには、どこか自己主張が強く自分本位な選手をイメージしていたのですが、代表選手クラスの人たちは、自分自身のことだけでなく、広い視野をもち、先を見据えて行動できる力をもっている方たちであることに気づかされました。一つのことに夢中になって、本気になって取り組んだ過程の積み重ねがこのような思考になった要因の一つだと考えます。
一つのことに夢中になって、本気になって取り組むことができる人のすばらしさを改めて実感した今夏のパリオリンピック。目の前にいる子どもたちはトップアスリートではありませんが、夢中になって、本気になって取り組むことで子どもも大きく成長できるはず。そういう姿を目指し、日々子どもたちが夢中になること、本気になることを意識して子どもたちとかかわっていきたいと思います。